「バガヴァッド・ギーター 第1章 アルジュナの苦悩」
- 2019.03.31
こんにちは~!お元気ですか?
しばらくの間、ヨーガ禅道友会集中講座で教わったヨーガ理論をお伝えしていきます。
ヨーガといえば、ゆっくりと深く呼吸しながら、様々なポーズをとって筋肉に緊張と弛緩という刺激を与え、血行とリンパの流れを促進し、自律神経とホルモン分泌のバランスを整えて、身体が持つ本来の自然治癒力を最大限に発揮させ心身を健康に保つ方法の一つであるということは、広く知られていることかと思いますが、
ヨーガを実習しながら、ヨーガの様々な根本経典を同時に学ぶことで、生きていく上での「心的態度」といいますか、「心的信条」といいますか、つまり、日頃の「心の持ち方」に気を付け、「自分の人生のあり方」を自分なりに確立して、より幸福に生きていく手助けを得ることができると思います。
さて、本日は、成川先生の研修資料から「バガヴァッド・ギーター 第一章 アルジュナの苦悩」を抜粋します。どうぞ、参考にされてください!!
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第一章 アルジュナの苦悩
ドリタラーシトラは言った。
「神聖なる地、クルクシェートラに、戦おうとして集まった、我らの一族とバーンダヴァの一族とは、何をなしたか。サンジャヤよ。(一)」
サンジャヤは語った。―――
かくて合戦が始まった時、猿の旗印をかかげるアルジュナは、布陣したドリタラーシトラの息子たちを見て、弓を取り上げ、(二〇)
クリシュナに次のように告げた。
「両軍の間に私の戦車を止めてくれ。不滅の人よ。(二一)
私がこの戦おうとして布陣した人々を見て、この合戦の企てにおいて、誰と戦うべきかを見るまで。(二二)
アルジュナはそこに、父親、祖父、師、叔父、兄弟、息子、孫、友人たちが立っているのを見た。(二六)
更に、義父、親友たちを見た。両軍の間に……。アルジュナはすべての縁者が立っているのを見て、(二七)
この上ない悲哀を感じて沈みこみ、次のように言った。
「クリシュナよ、戦おうとして立ちならぶこれらの親族を見て、(二八)
私の四肢は沈みこみ、口は乾涸び、私の身体は震え、総毛立つ。(二九)
ガンディーヴァ弓は手から落ち、皮膚は焼かれるようだ。私はたっていることができない。私の心はさまようかのようだ。(三〇)
アルジュナはこのように告げ、戦いのさなか、戦車の座席に座りこんだ。弓と矢を投げ捨て、悲しみに心乱れて……。(四七)
(上村勝彦訳『バガヴァッド・ギーター』)
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血縁関係にある親族同士の戦いに直面したアルジュナの苦悩が伝わってきます。
血を流すほどの大きな戦いになることはなくても、
親子、夫婦、きょうだい、親戚、友人、職場、・・・・
人間が抱く悩みのほとんどは人間関係からくるもの。
または、自分と他人を比べるところからくるもの。
(いつの時代もそうなのかもしれませんね。)
さて、この後、クリシュナは参戦を拒むアルジュナに何と説いていくのでしょう・・・?
次回、「2章ギーター全体の要約」に続きます。
ところで、この「バガヴァッド・ギーター」講座を担当され資料をくださった成川先生は、瞳の奥の輝きがそれはそれは美しい方です。成川先生のヨーガ実習を受けた後は、身体の中にあった気の淀みが清く澄み渡り浄化された感じになったのを思い出します。
私もそんなヨーガ指導を目標にしています。
ヨーガ禅道友会夏期講習でまたお会いできるといいなあ・・・。