「バガヴァッド・ギーター 第18章 離欲の完成」
- 2019.04.06
こんにちは!
ヨーガ禅道友会2018年度集中講座で学んだことをお伝えしていきます。
今回も成川先生の理論講座でいただいた資料「バガヴァッド・ギーター(神の詩)」から抜粋します。「バガヴァッド・ギーター(神の詩)」からの文章はこれで最後です。
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第18章 離欲の完成
成就に達した者が、どのようにしてブラフマンに達するか、私はそれをごく簡潔に説くから聞け。アルジュナ、これが知識の最高の帰結である。(五〇)
清浄な知性をそなえ、堅固さにより自己(アートマン)を制御し、音声などの感官の対象を捨て、また愛憎を捨て、(五一)
人里離れた場所に住み、節食し、言葉と身体と意(こころ)を制御し、常に瞑想のヨーガに専念し、離欲を拠り所にし、(五二)
我執、暴力、尊大さ、欲望、怒り、所有を捨て、「私のもの」という思いなく、寂静に達した人は、ブラフマンと一体化することができる。(五三)
ブラフマンと一体になり、その自己(アートマン)が平安になった人は、悲しまず、期待することもない。彼は万物に対し平等であり、私への最高の信愛(バクティ)を得る。(五四)
信愛により彼は真に私を知る。私がいかに広大であるか、私が何者であるかを。かくて真に私を知って、その直後に彼は私に入る。(五五)
私に帰依する人は、常に一切の行為をなしつつも、私の恩寵により、永遠で不変の境地に達する。(五六)
心によりすべての行為を私のうちに放擲し、私に専念して、知性(ブッディ)のヨーガに依存し、常に私に心を向ける者であれ。(五七)
私に心を向けていれば、私の恩寵により、すべての苦難を超えるであろう。もし、我執により、〔私の教えを〕聞かないならば、あなたは滅亡するであろう。(五八)
あなたが我執により、「私は戦わない」と考えても、あなたのその決意は空しい。〔武人の〕本性があなたを駆り立てるであろう。(五九)
アルジュナよ、あなたは本性から生ずる自己の行為に縛られている。あなたが迷妄の故に、その行為を行おうと望まないでも、否応なくそれを行うであろう。(六〇)
主は万物の心の中にある。その幻力(マーヤー)により万物を、からくりに乗せられたもののように回転させつつ。〔六一〕
全身全霊で彼にのみ庇護を求めよ。アルジュナよ。彼の恩寵により、あなたは最高の寂静、永遠の境地に達するであろう。(六二)
私に意(こころ)を向け、私を信愛せよ。私を供養し、私を礼拝せよ。あなたはまさに私に至るであろう。私は必ずそうなると約束する。あなたは私にとって愛しいから。(六五)
一切の義務(ダルマ)を放棄して、ただ私のみに庇護を求めよ。私はあなたを、すべての罪悪から解放するであろう。嘆くことはない。(六六)
アルジュナよ、あなたは一意専心してこれを聞いたか。あなたの、無知から生じた迷いは消え失せたか。(七二)
アルジュナは言った。
「迷いはなくなった。不滅の方よ。あなたの恩寵により、私は自分を取りもどした。疑惑は去り、私は立ち上った。あなたの言う通りにしよう。(七三)」
サンジャヤは言った。―――
私はこのように、ヴァースデーヴァと偉大なアルジュナとの、稀有の総毛立つ対話を聞いた。(七四)
私はヴィヤーサ仙の恩寵のおかげで、ヨーガの主クリシュナが自ら最高の秘密であるヨーガについて語った時、彼から直々にそれを聞いた。(七五)
王よ、クリシュナとアルジュナとの、この稀有で聖なる対話を想起するごとに、私は繰り返し歓喜する。(七六)
そしてまた、あのハリ(クリシュナ)の非常に稀有な姿を想起するごとに、私は大いに驚嘆し、繰り返し歓喜する。(七七)
ヨーガの主であるクリシュナがいる所、弓を執るアルジュナがいる所、そこには幸運があり、勝利があり、繁栄があり、確固たる政策がある。私はそう確信する。(七八)
上村勝彦役『バガヴァッド・ギーター』
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清浄な知性をそなえ、堅固さにより自己(アートマン)を制御し、音声などの感官の対象を捨て、また愛憎を捨て、人里離れた場所に住み、節食し、言葉と身体と意(こころ)を制御し、常に瞑想のヨーガに専念し、離欲を拠り所にし、我執、暴力、尊大さ、欲望、怒り、所有を捨て、「私のもの」という思いなく、寂静に達した人は、ブラフマンと一体化することができる。
↓
そこには幸運があり、勝利があり、繁栄があり、確固たる政策がある。
放擲、知性、専念、信愛、離欲 ・・・のあるところに、 幸運、勝利、繁栄・・・がある。
「無心」になっているとき、何かから解放されている気がします。
この何かから離れる時間を増やしていきたいなあと思いました。