ヨーガ・スートラ1・15
- 2023.01.09
1・15 離欲とは、現に見たり、或は伝え聞いたりした対象のすべてに対して無欲になった人がいだく、克己者たる自覚である。「ヨーガ根本教典」佐保田鶴治著
15 見たり聞いたりした対象への切望から自由である人の、克己の意識が離欲〔無執着〕である。 「インテグラル・ヨーガ」スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳
スワミ・サッチーナンダの解説より~~
通常、心は、何かを見聞きすることによって執着を生む。心が外に向かって動き、その欲望を満たすものを集めるのは、主に眼と耳を通じてである。あなたは、心が何かを見、何かを聞いて、それに引き寄せられる前に、その対象が自分にとって良いものであるか同化を見きわめる識別の力を持つべきである。心は、勝手に突き進んで何でも好きなものをつかむべきではない。・・・
ほとんどの人は、何もかも棄てて無私・無欲になると、何の楽しみもなくなってしまうのではないかと考えている。それは違う。あなたは最も幸せな人となる。奉仕すればするほど、あなたはより大きな幸せを味わう。何もかも失うこと、すべてを与えることには、大きな喜びがある。・・・
何も持たないからこそ、<自己>を持つ。それが秘訣なのだ。・・・
心が私的な利害から自由であるとき、われわれは仕事を十全にすることができ、楽しく感ずる。そのとき、われわれの人生は意味に満ちたものとなる。・・・
何をするときでも、「私は他者に奉仕するために自分自身を整えているのだ」という思いでもってやる。瞑想をするときでも、それは自分だけの平安のためではない。安らかな心で外に出て、十分奉仕できるように、するのだ。・・・・
・・・このヴァイラーギャすなわち無執着だけが、あなたの全人生を喜びに満ちたものへと変えるに足るのである。
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以前、「ヨーガ禅道友会」の会長である八田先生から、「何事もたんたんと行うこと。結果に思いをはせることなく、そのことだけをたんたんと行うという姿勢が大切です。」というアドバイスをいただきました。
家事も仕事も「たんたんと」、無欲になってそのことに集中して取り組めば、家事や仕事が「たんたんと」片付いていきます。
仕事でだれか人と接するときも「たんたんと」、判断したり評価したり詮索したりすることなく、ただただ、思いやりと愛情を持って真心で接すれば、その時間が楽しくなる気がします。
私の仕事は塾での学習指導です。この「たんたんと」を実践するようになってから生徒さんとの1時間があっという間に感じられるようになりました。
「こんなふうに思われたい」や「こんなふうになって欲しい」という欲を捨て、今の自分ができることに意識を向けて励む。その時間をつないで、楽しく生きていきたいものです。(は)