ヨーガ・スートラ 1・33
- 2023.03.28
1・33 慈、悲、喜、捨は、それぞれ他人の幸、不幸、善行、悪行を対象としていだく感情であるが、これらの感情を念想することから、心の静澄が生ずる。「ヨーガ根本教典」佐保田鶴治著
佐保田鶴治先生の解説より~~~
慈、喜、捨の四つの感情は仏教で四無量心とよばれ、十二門前のなかの一部門とされる。慈は他人の幸福をともに悦ぶ心、悲は他人の不幸に同情する心、喜は他人の善行をともに賀する心、捨は他人の悪業に対して憎悪も共感もいだかない心である。
33 他の幸福を喜び〔慈〕不幸を憐れみ〔悲〕、他の有徳を欣び(よろこび)〔喜〕不徳を捨てる〔捨〕態度を培うことによって、心は乱れなき静澄を保つ。「インテグラル・ヨーガ」スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳
スワミ・サッチダーナンダの解説より~~~
~~~たとえあなたが人生に特にこれといった大きな目標はないというのであっても、いいからちょっとこのスートラに虚心に従ってみよう。~~~私自身の経験では、このスートラが常に心の静澄を保つための導きの灯となった~~~
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「慈」他の人の幸福を見たり聞いたりした時、自分は素直に喜べるか、はたまた何だか嫉妬してしまうか?
その一瞬の感じ方が、自分自身の生活充実度に相当するようだ。心から喜べる時、自分も何らかの目標に向かって充実した日々を送っているはずだ。もし、羨ましいと感じるならば自分もそうなれるように努力していきましょう。
「捨」他人の良くない行動や言動に対して、評価を加えない、無関心でいることが、自分を平安に保つコツだ。これが難しい。私たちは日常生活の思考時間の多くを他の人への評価に費やしていないだろうか。気づいたならば、すぐに自分に意識を戻して貴重な時間を大切に過ごしていきましょう。