ヨーガ・スートラ 1・35
- 2023.04.16
1・35 あるいは、いろいろな対象を持った感覚現象が発現するならば、それはこころ(意)をいや応なく不動にする。「ヨーガ根本教典」佐保田鶴治著
佐保田先生の解説より~~~
~~~例えば、鼻のさきに心を集中すると神々しい妙香の感覚が生じ、舌端に集中すると微妙な味覚、口蓋に集中すると色の感覚、舌の中央に集中すると触覚、舌根に集中すると音覚が生ずる。かような霊的な感覚経験は書物や教師や論証よりもこころを不動にするのにいっそうの利きめがあるというのである。~~~
35 あるいは、微妙な感覚的知覚に対する集中が、心の不動をもたらす。「インテグラル・ヨーガ」スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳
スワミ・サッチダーナンダの解説より~~~
集中の訓練の初期のある時点で、超常的な感覚的知覚が生ずる。そこであなたは、それら自体を、心を不動にするためのさらなる集中の対象として利用することができる。~~~
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鼻の先に集中すると花や香水のような香気が感じられ、心を舌の上に置くと良い味がするとのことなので、そんな感覚を得たいと興味本意で思ってしまいます。しかし、このような体験を瞑想の目的にするのではなくて、このような超常体験は、単に「ヨーガ修習の道を正しく進めているよ。」という合図にほかならないのだそうです。
普段の日常生活の中での瞑想は、雑念が次から次へとやってきて、一点集中が難しいときがあります。そんなとき、この方法を利用して、(鼻先に良い香り・・・どんな香りだろう?ノドの奥に音?どんな音がするのだろう?)と、その感覚の方に意識を向けてみることで雑念から遠ざかることができるかもしれませんね。
心を不動にする方法の紹介がこの後さらに続きます。