ヨーガ・スートラ 2・18
- 2024.04.05
2・18 見られるものとは、照明、行動、鈍重の性向をそなえ、物質元素と知覚、運動の器官とから成るものであって、真我の経験と解脱とをその目的としている。「ヨーガ根本教典」佐保田鶴治著
佐保田鶴治先生の解説より~~~
~~~三つのグナは瞬時も休止しないエネルギー的な因子であって、その性向は互いに矛盾する関係にあり、互いに主導権を争うような形で三つ巴にからみあっている。この三者のはたらき合いの上に自性の転変は発現していくのである。三グナの性向をサーンキャ・カーリカー(金七十論)によって列挙すると、
(1)サットヴァ ― 快がその本質、照明がその作用、軽いことと明るいことがその特徴。
(2)ラジャス — 不快がその本質、活動がその作用、誇負と不安がその特徴。
(3)タマス — 痴鈍がその本質、鈍重がその作用、重いことと覆いかくす(闇)ことがその特徴。 ~~~
物質元素とは地、水、火、風、空の五つの粗元素(五大)のこと、知覚と運動の器官とは眼、耳、鼻、舌、皮(触覚)、語(発語)、手、足、排泄、生殖の十器官(十根)のことである。~~~
18 見られるものは、照明・活動・惰性というグナの三つの性向を備え、元素(五大)と感覚器官から成っているが、その目的とするところは、プルシャに経験と解放(解脱)を与えることである。「インテグラル・ヨーガ」スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳
スワミ・サッチダーナンダの解説より~~~
~~~人生はすべて、過ぎてゆくショーである。それを一瞬でも引き止めようとすれば、われわれは緊張を感じる。自然は逃げようとする。~~~物事が通り過ぎていくのを受け入れるとき、われわれは自由である。~~~
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本来の自分(見るもの)は、この身体と心でできた自分(見られるもの)ではない。見られるものは苦しんでいたはずのあらゆる経験が貴重な経験であったことに気付くが、見るものは、ただその様子をながめているのだ。