ヨーガ・スートラ 2・30
- 2024.05.01
2・30 禁戒には、（1）非暴力、（2）正直、（3）不盗、（4）禁欲、（5）不貪の五つがある。「ヨーガ根本教典」佐保田鶴治著
佐保田鶴治先生の解説より～～～
禁戒（ヤマ）というのは、仏教の五戒と大体同じもので、自分以外のものとの関係を規定した道徳的な心得である。～～～戒は心の平和を求めるための手段なのであって、禅定のための予備コースとして提出されているのである。解脱を究極目的とする修行者はまず戒を守ることから始めなければならない。
非暴力（アヒンサー）は五戒の筆頭である。いかなる場合にも、いかなる生きものにも、いかなる仕方ででも、害を加えないことである。～～～
正直（サチャ）を守り通すことは、非暴力の戒を守りとおすのと同じくらいむずかしい。～～～
禁欲（ブラフマチャリャ）は梵行とか不婬とか漢訳されているように、セックスのいとなみをしないことである。～～～
不貪（アパリグラハ）とは、最小限度の必需品以外はもたないことである。インドの行者は一杖一鉢と一枚の衣しか持たないならわしであった。ただし、何をもつかが問題なのではなく、所有欲を征服することが主眼なのである。～～～
30 ヤマ〔禁戒〕は、非暴力（アヒンサー）、正直（サテイヤ）、不盗（アステイヤ）、禁欲（ブラフマチャーリヤ）、不貪（アパリグラハ）より成る。インテグラル・ヨーガ」スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳
スワミ・サッチダーナンダの解説より～～～
～～～”アヒンサー”は苦痛をひき起こさないことだ。苦痛をひき起こすことは殺すことよりも悪い場合がある。～～～”サティヤ”は”正直”、嘘を言わないことである。”アスティヤ”は”盗まないこと”を意味する。～～～それらを完全にするには並大抵ではない。～～～”ブラフマチャーリヤ”は”禁欲”あるいは独身生活を守ることである。～～～”アパリグラハ”～～～には二通りの解釈の仕方がある。一つは”物を貪らない、貪欲でない、適切に使うことのできる範囲を越えた蓄積をしないこと”である。もう一つの解釈は、”贈与を受けないこと”である。～～～
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「自分以外のものとの関係」
人、動物、植物、衣類、住居、乗り物、食べ物、・・・自分以外のものをあげるときりがないけれども、あらゆるものに対してヤマ（禁戒）をあてがってみよう。自分以外のものを大切に敬うことになり、同時に自分自身の気質が清まり、平和な気運があたりに広がっていくような気がしてきます。
