ヨーガ・スートラ 2・36
- 2024.05.07
2・36 正直の戒行に徹するならば、その人は行為とその結果とのよりどころとなる。「ヨーガ根本教典」佐保田鶴治著
佐保田鶴治先生の解説より~~~
この本文をやさしく言いかえると、正直の戒の実行に徹したならば、その言う通りの行為と結果が実現する、ということである。~~~
36 正直に徹した者には、行為とその結果がつき従う。「インテグラル・ヨーガ」スワミ・サッチダーナンダ著 伊藤久子訳
スワミ・サッチダーナンダの解説より~~~
~~~自然はすべて、正直な人間を愛する。~~~そしてある人が常に正直であるならば、つまりその口から一言の嘘も発されないならば、彼の言うことのすべてが現実となる時が来る。~~~正直であることによって問題が生じたり、誰かに困難や不都合が生じるならば、われわれは沈黙を守るべきである。嘘をついて「私は知らない」と言うのではなく、はっきり、「私は知っているが言いたくない」と言えばよい。~~~
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高齢者の施設に行きたがらなかった認知症のある母親。
母親を老々介護していた父親の入院によって、施設に入らざるを得なくなった。「一人で家で暮らせる。」と言い張る母親に、息子夫婦は「夕方には迎えに行くから。」と嘘をついて施設に連れて行き、そのまま施設に預けた。
「待てど暮らせど迎えに来なかった。」
すぐに迎えに来てくれると信じて待っていた母親。息子夫婦に嘘をつかれて気落ちし、裏切られたと涙ぐむ。
嘘をついて事なきを得たい状況であっても、嘘をつかざるを得ない状況であっても、嘘も方便と言われているけれども、嘘を付くのは避けた方が良い。
嘘を付かれていた・・・と気づいたときの不信感、怒り、口惜しさ、悲しみなど、相手に生ずる負の感情で、その人を遠回しに傷つけることになってしまうから。